パワーボール(PB)をネットで調べてみてわからなかったが、その歴史はきっと、子供のころからあったから、少なくとも半世紀以上があるのではないだろうか。それは手首や握力を鍛えるもので、ちょっとした遊び感覚でやれるのがロングセラーの秘訣かもしれない。仕組みはジャイロ構造になっていて、外枠の中にある少し重さのあるボールが2つの軸に回転して、まわし続けると適度な負荷が手首や小手の筋肉に刺激を与えてくれる。

初心者はまず、ボールに添えつけの紐を巻いて、それを強めに引き抜き、まず一軸に回転を与える。それを維持しながらゆるやかに手首を回転させ外枠にある一軸とは直角方向の溝へ回してやる。うまく回ればジャイロになり回転し続けることができる。最近のものはみんなカウンターがついているので、友達と競ったり、自らの記録を塗り替えていったり、そこが遊び感覚を刺激してくれるところの一つだろう。

そして上級になると、紐は使わず、一軸の回転を指で行う、つまりキックスタートだ。これが長年の壁で、そんなに真剣にやっていなかったのもあるが、すっかりあきらめていた。ひょんなことから目の前でフィンガースタートを見せてもらい、心の壁を打ち破ることができたのはもう一月も前のことでした。

PBは通勤で駅まで、駅から歩くときに、気ままに回しながら歩みを進めていく。ここのところ、フィンガースタートができつつあったので、毎日挑戦を続けている。このフィンガースタートがなかなか決まらない。フィンガースタートはどうやるかというと、左手にPBを持ち、右親指でキックスタート。ところがこれがけっこう難しく、歩いて、1分、2分、、5分とかかってしまう。運の悪い日は、あと少しで着くころにようやくスタートできたり、最悪は結局スタートせずじまいということも。右親指が痛い。

何が悪いのか、いろいろ考えてみて、まず視線をPBに落としておいてスタートさせると、やや良い。でも、まだまだ。

次に思ったのは歩きながらやるのは、難しいのかと考え、止まってやってみるがどうも違う、時間だけが失われ小走りになる羽目に。

通勤カバンには電子書籍に紙の本、電子辞書はけっこうな重量感がある。したがってかなり重いのを持ち歩く。一度計ったことがあったが、4キロくらいはあった。女性なんかだとちょっと驚きの重さになる。

ようやくわかった。先の描写にもう少し加えると、PBを持ったその左手の肘には重い通勤カバンを提げている。もしやと思ったのは、ほんの一昨日のこと。その重いカバンを右肘に移し、自由となった左手は一軸の回転を維持し、二軸の回転を徐々に加速させてゆく。

カバンの重量は左肘を固定させ、緊張させ、自由度を奪っていたのだった。

上げ手と同じだ、いくら力の抜き方を言葉で説明したって、肘を含む小手を自由に動くようにしておかなければ、理屈通りには動かせない。力みまくった肩は肘を固定させ、相手の力に対抗し身動きできず行き場を失ってしまう。「肩の力を抜く」、これは超えなければならない。

さて、今のPBはオートスタート機能があり、そのおかげでフィンガースタートはできないそうだ。

瓢漂会