小手の力の抜き方がわかると、新たな問題に直面することになる。崩しだ。力抜きと崩しは独立して考えないとならないということが、目の前に突きつけられる。最終的には統一されるのかもしれないけれど。

力抜きは、もちろん続け稽古していくのですが、ここのところ崩しについて色々工夫を重ねている、時間をかけている。そこで役に立つのはこれまで長年蓄積してきた物理であり、骨格について。具体的には物理は、並進、回転、変形運動に第2種テコ。骨格なら胸郭や自由度、股関節の角度。見直すことはたくさんある。いや勇気がいるけれど、いったんすべて捨ててしまって白紙からやり直そう。

瓢漂会

勉強不足だった、たぶん意識が向いていなかったのだ。姿勢制御には足(この場合、足首から指先)と腰が大きな役割を果たしていると教わった。足にはあまり注目してこなかったが、人は崩れると足が出て基底面を広げることにより、重心線を収め回復することを考えると、足に注目するのはとても名案に思えてくる。立つための姿勢制御には3つ。つまり、アンクルストラテジー、ヒップストラテジー、それに加えてステッピングリアクション、悩ましき足の踏み出し。

すると2週間もしないうちに、整体に明るい別の人が何気なく、立つバランスは股関節と足首の柔らかさが大切と言う。人の意識は何かに向くと、突然いろんなことがアンテナにかかるようになるが、これは単なる偶然か、何か示唆があるのではないかと結びつけて考えたくなる。

しばらくこだわってみることにした。すると、これまで経験的、体験的に「こうすると、こうなる」ということが腑に落ちてくる、説明がつくようになり始めるのだった。もしかしたら、2本足で立つ人間には必ず崩れる角度があるのかもしれない、と思い始めている。