左を制すものは世界を制す(サウスポーなら右)、その筆頭がジャブだ。最近ジャブの重要性が改めて注目されている、それはGGGゴロフキンなどジャブの多いP4Pの上位達。日本でも井上Chのジャブは強力だし、村田Chもジャブに磨きがかかる。

ジャブは相手の出方を探る、先手をとる、崩す、試合を作るといったオフェンスに限らず、機先を制す、相手のパンチの軌道を潰す、間合いを保つとディフェンス面でも使用範囲が限りなく広い。

そのディフェンスでは、相手のクロスカウンターを肘ではじくなど、ナックルパートだけでなく、肘から肩へと意識を広げていくことが、ステップアップになる。

具体的にクロスカウンターではこちらのジャブに対し相手が右をかぶせてくるとする、その際自分の肩でアゴを守りつつ、肘はカイナを返すように相手の右クロスの軌道を上方へずらしてしまう。

逆にこちらのジャブの内側に右を合わせようとしてくれば、左肩をより深く入れ半身強く、リーチを最大限に間合いを作り、距離で外す。

では練習はどうするかというと、肘打ちを意識していくことだ。肘打ちといっても肘そのものの打撃というよりは、ジャブやフックを打ちつつ、肘をかすめる。まずはシャドウから、サンドバッグやダブルのパンチングボールがあればそれらを利用して肘打ち、というか肘で弾く、叩く。コーナーポストや壁を利用してもよい、ただし強くやり過ぎるとケガをするので要注意。トレーナーにミットで肘を叩いてもらうのも良い。

肘、肩への意識、ディフェンスへの意識が高まると、それはやがてショルダーロールへと発展させていくことができる、ジェームス・トニーやフロイド・メイウエザーJrで有名な、日本でいうL字ブロックだ。

そしてそこに首振り、スリッピングアウェーが加われば、華麗なボクシングへと変わることだろう。

なお、ショルダーロールやスリッピングアウェーはひとつ間違えればハイリスク、あくまでもガードなどの基本が備わった上での話し。あのメイウエザーでさえ、スピードを失ったマクレガー戦では固いガードで戦っていたことをお忘れなく。基本が完璧での応用なのです。

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